1.用意したシナベニア板に軽くサンドペーパーをかけ、粉をきれいに取り除く。
2.膠水を刷毛で塗る。裏面と側面にも塗る。
3.四角に画鋲を刺し(裏返した時にくっつかないように浮かせるため)、裏返す。
4.全体に膠水をまんべんなく塗り、約1日かけて乾燥させる。
(和紙や麻布を使う場合)
5.ベニア板より大きめに切った和紙を用意し、ベニア板全体に膠水(接着剤)を塗ってから和紙を空気が入らないように注意して貼る。四角を切り取って厚みが出ないようにして、裏面まで包み込むように貼る。
6.和紙の上から再度膠水を塗る。側面や折り込んだ裏面の和紙にまで膠水を塗る。
7.1日以上乾燥させる。.

テンペラ絵具(テンペラグラッサ)の特徴

膠水を作る

熱心に、楽しく制作することができました

地塗りが終わった状態(タイルの表面のように滑らかで少し盛り上がっている)

下地作りの手本を見せる講師の操作を見学

  テンペラ画についての講義

8.下塗り

オキサイドグリーンを水で薄めて下塗りし、ドライヤーで乾燥させる。

テンペラ勉強会

◎卵    ……新鮮なもの、1日に1個
◎顔料  …… 10~20色程度 
◎石膏  ……140g(炭酸カルシウム類と白亜等90g)
◎チタニウムホワイト…少量
◎混合技法用画用液(テンペラグラッサの場合)…1瓶
◎膠   …… 20g
◎板(厚さ1cm以上)シナベニアなど…1枚
◎和紙(寒冷紗布)…1枚
◎サンドペーパー……1枚
◎パレット
◎筆   ……3本(サイズ各種)    
◎刷毛(柔らかいもの)…1本
◎ガラス瓶(蓋付き、メディウム保存用
) …1瓶

テンペラ画の技法

下地作り(地塗り)

1.ビーカーの3分の1まで膠水を入れ、均一に沈むように石膏(白亜)を振り入れる。
2.水面が見えるか見えないか程度まで石膏を入れたら、30秒ほど置いて、ゴムベラで泡立たないように静かにかき混ぜる。
3.ぬるま湯を少し加えて粘度を調整する。
4.前膠を施したベニア板に③でできた石膏液を刷毛でのせる。
5.1層目をのせたら、素早く指でベニア板に石膏液を刷り込む。側面と裏面にもよく刷り込む。
6.1層目が乾いたら、2~3層目を表面の水が少し引いたくらいですぐに次の石膏液を重ねてゆく。台の上でトントンさせて表面を滑らかにさせる。裏面は1層目のみ塗る。
7.石膏液をのせ終わったら約1週間程度かけて乾燥させる。最後にサンドペーパーをかけて表面を平滑にすると、基底材が完成する。

絵具を水で殆ど溶かずに不透明に使います。絵具をのせる時、筆で強くこすると絵具層が削れてしまうので注意が必要です。

テンペラ絵具は油絵具のように伸びが良くないので、ボカシがうまくできません。細い線の組み合わせと積み重ねによって微妙な調子や立体感を作ります。   

全体の調子を整えたり、違う色味を加えたい時、水でよく溶いたテンペラ絵具を下の絵具層が透けるように薄く塗ります。油絵具でも同様の技法が使えます。

◎厚塗り

◎ハッチング

◎グレーズ

テンペラ画の材料

1.水10と膠1の割合で用意し、水に膠パウダーを振り入れる。浮いた場合は軽くかき混ぜる。
2.膠は1~2時間で膨潤する。
3.膨潤させた膠を60度以下の湯煎にかける。絶対に沸騰させない。


テンペラの歴史

 イタリア語のテンペラ(Tempera)の語源は、ラテン語のテンペラーレ(Temperare=混ぜ合わせる)と言われています。
19世紀にチューブ入り絵具ができるまでは、画家は顔料と展色剤(糊)を混ぜ合わせて絵具を作っていましたので、その行為を言っていたようです。今日では、それと区別する意味で、卵を展色剤とし、顔料を混ぜて作った絵具をテンペラと言います。
 テンペラ画は、13世紀に宗教画に用いた卵黄テンペラ(卵黄+酢+水)が始まりで、15世紀にテンペラグラッサ(卵黄+乾性油+ダンマル樹脂)という技法に変化しました。その後、油絵具の出現によって表舞台から姿を消していきました。
 現代になって、油彩とは違った新鮮さで脚光を浴びはじめ、アンドリュー・ワイエスなど多くの著名な画家が使っています。

◎発色が鮮やか…顔料そのものの明るい発色に近い。
◎マットな質感 …隠蔽生、不透明感。
◎輪郭的表現  …形を決めてから中を描く。修正しにくい。

◎乾燥が早い  …水性絵具で水分蒸発により乾燥。
◎水性→耐水性…水で溶けるが、乾くと耐水性。
◎油彩と併用  …不透明な質感を生かし、表現の幅が広がる。

4.メディウムの調整3

卵黄の中身だけを容器に取る。

膜が入らないように注意。

9.描画

カラー写真を見ながら模写する。

1.実習に用いた材料

上からビーカーとメディウム容器
左は模写する絵のカラーとモノクロ写真
右は顔料を取り分けたパレット
下は基底材(石膏下地の完成品)

顔料に等量のメディウムを加えてよく練り混ぜ、絵具を調整しておく。これを混色したり、水で描きやすい濃度にまで薄めて描画に用いる。

10.ひとまず完成

ここまで描いたところで時間切れとなった。

7.基底材に転写した状態

6.転写

基底材(石膏下地)に模写する絵をテープ止めし、カーボン紙を挟んでボールペンでなぞって転写する。

3.メディウムの調整2

卵黄の膜を切り開く

  基底材作りの実習(講師のデモ操作を見学)

下地作り(前膠)

  テンペラ画を描く(実習)

5.メディウムの調整4

混合技法画用液を約15mlを加えてよく混ぜる。水15mlを少しずつ加えながらよくかき混ぜて乳化させ、メディウムを作る。
メディウムは蓋のある容器に入れる。保存は冷蔵庫で。

2.メディウムの調整1

卵黄を手のひらでころがして白身を取り除き、卵黄のみにする。

講義の様子